医院ブログ

お口の健康を守るための優しい歯磨きのポイント

2025.01.26

①口腔ケア

歯磨きは、毎日の口腔ケアの基本になります。歯や口の中を清潔にするためや健康なお口の環境を維持するためには必要不可欠です。その事はみなさん理解していて子供の頃から認識していると思います。

自宅で気軽に毎日できる唯一の口腔ケアです。しかし残念ながらほとんどの人が間違った知識や磨き方をしているのが現実なんです。歯磨きは正しい方法で行う必要があります。

1番多く間違った磨き方が強くゴシゴシと磨く事です。強く磨くイコール綺麗に汚れが取れる。そう考える人がとてもたくさんいるように思います。あとは男性はやはり力が強い事もありこの傾向が強くあるように思います。

実は力強くゴシゴシ磨くと歯や歯茎にダメージを与える原因のひとつになります。歯磨きは毎日毎食後にするとしてかなりの回数と期間ダメージを与えることになりますよね。ダメージを与え続けるとお口や歯の健康が保てなくなります。多くの人が毎日歯磨きしているのになぜ?と言います。

そこで、今回は「ゴシゴシしない優しい歯磨き」の大切さなどを詳しく説明して、ぜひ自宅でも実践してほしいと思います。

②優しい歯磨きの大切さ

まずはどうして「優しい歯磨き」が大切なのかについて説明していきましょう。実は私も昔はゴシゴシと横にブラシを動かし強く磨いていました。歯はいくつかの層でできています。歯のいちばん外側の層をエナメル質といいます。とてもかたくて歯を保護する役割がエナメル質になります。

しかし毎日毎食後ゴシゴシと強く歯磨きし続けると歯の表面が傷つきますしもちろん硬いエナメル質も削られてしまいます。歯を保護する役割になっているこのエナメル質が削られることにより、エナメル質が薄くなってしまうので色々な影響が出てきます。ひとつは聞いたことがある人も多いと思う知覚過敏という症状です。

知覚過敏とは冷たいものがしみたりする症状のことです。保護する役割の表面のエナメル質が削られたことにより薄くなり刺激に敏感になってしまいます。

また歯ぐきにも影響があります。強い力でゴシゴシと歯を磨くと、歯ブラシがすべったりし歯ぐきが傷ついたりすることもあります。その傷が出血したりまたは炎症を引き起こす可能性もあり口内炎になることもあります。さらにゴシゴシと強く歯磨き続けて歯の表面だけでなく歯ぐきまで削られ薄くなってしまい歯の根もとがでてきてしてしまうこともあります。

更にゴシゴシと強く歯磨き続けることにより歯が揺れてきたり不安定になったり最悪将来的には歯を失ってしまうなんてことになると大変です。優しい歯磨きがとても重要になってきます。磨き方も大切ですがまずは歯ブラシの選び方を説明していきます。

③正しい歯ブラシの選び方

優しい歯磨きをするためには、まず歯ブラシの選び方が大切になってきます。歯ブラシは、硬めの毛先よりは柔らかい毛先のものがいいと言われています。男性は特に無意識に力がはいってしまうため柔らかめの使用をおすすめします。硬い歯ブラシは歯や歯ぐきを傷つけやすくなりますし、歯ぐきが敏感な人や知覚過敏の症状がある人も柔らかい毛先の歯ブラシを選びましょう。

さらに、歯ブラシのサイズもとても重要です。奥歯までしっかり磨けるように小さめのタイプや先が細くなってるタイプが良いと思います。歯ブラシの持ち方にもポイントがあります。ペンを持つように軽く握り、力を入れすぎないようにしましょう。

④歯磨きのテクニック

優しい歯磨きをするためには、やはり正しいテクニックも必要になってきますし歯ブラシの動かし方もポイントが必要です。何度も言うようにゴシゴシと強く大きく横に動かすのではなく、小さな円を描くようにして、優しく丁寧に磨きましょう。1本1本の歯を丁寧に優しく磨くことを意識し、面倒ですが時間をかけて磨くことが大切です。

歯磨きで気をつけるのは歯ブラシがとどきにくい奥歯や歯の裏側は磨き残しが多いところなので注意しましょう。鏡を見ながらすることで、どの部分がしっかり磨けているか見かけていないか確認できて良いと思います。

④歯磨き粉の選び方

歯磨き粉の選び方も、優しい歯磨きには欠かすことができません。ドラッグストアなどにある歯磨き粉には、研磨剤が入っているものが多くあります。この研磨剤は歯の表面を磨いて汚れを落とします。

しかし頻繁に毎回使用するとエナメル質が傷ついたり薄くなったりする可能性があります。なので知覚過敏や歯ぐきが薄くなり歯の根っこが出てきている場合は研磨剤の量が少ない歯磨き粉を選ぶようにした方が良いと思います。

また、フッ素が含まれている歯磨き粉は、虫歯予防にとても効果的です。フッ素はエナメル質を強化したり歯を守る効果も期待できます。歯磨き粉は必要以上に大量に使用しないようにし、きちんとした適量を守ることも大切です。歯磨きした後は口の中に歯磨き粉が残っているので、もちろんお口を何度かゆすぐと思います。でも歯磨きした後のうがいは1回だけで十分なんです。

理由は、歯磨き粉の中に入っている歯を守ったりする効果があるフッ素がうがいをすることで流れてしまうからです。何度もうがいをすると、適量で歯磨きをし、もちろん口の中に残った細菌も洗い流してくれますが、歯を守るフッ素まで流されてしまいます。色々な歯磨き粉がありますが日本製の歯磨き粉はフッ素が身体に残っても安全な濃度でつくられているので、安心して使用できます。

(ドラッグストアの歯磨き粉と歯医者のみで販売している歯磨き粉ではフッ素の濃度に違いがあります)

いつでもご相談ください。

⑤電動歯ブラシの活用

優しい歯磨きの方法として、最近色々な種類が増えてきた電動歯ブラシを使用するのも良い方法かもしれません。電動歯ブラシは、ご自身でする歯磨きよりもより歯の汚れを取り除くすることができますし適切な圧力(力の強さ)で磨くことができますし電動歯ブラシにもよりますがものによると圧力を感知するセンサーがついているものあり強すぎる力で磨くとアラームが鳴るそうです。色々な機能が付いているものを選ぶのもいいかもしれませんね。歯や歯ぐきの負担を少なくできますし、気持ちにも余裕ができてより効果的に効率的に磨くことができます。

でも機械に頼りきりにならないように電動歯ブラシを使用する時も歯ブラシの角度など正しい方法で使うことをおすすめします。

当院でも取り扱っている電動ブラシもありますのでいつでもご相談下さい。

⑥優しい歯磨きの習慣化

優しい歯磨きを習慣化しましょう。お口の中の健康を長期的に維持するためには必要でとても重要です。習慣化するためには、毎日時間を決めたりするのもいいと思います。時間をかけて丁寧に磨くことを心がけましょう。一般的に言われているのは歯磨きは最低でも2分間行うとされていますが優しい歯磨きをする場合はそれ以上さらに時間をかけることが大切です。

また、歯磨きだけでなく、定期的に歯科医院での定期検診も必ず受けて下さい。プロの指導とケアを受けることはとても大切で重要です。定期的に歯科医師や歯科衛生士からアドバイスを受けることで、自分の歯磨きの方法を見直すことや磨き残しがあるかないか、あるならどこを注意して磨くのが良いか色々なことを知ることができます。是非定期検診を受けて下さい。

⓻子供の優しい歯磨き

子供にとっても優しい歯磨きは重要です。子供は大人に比べると歯や歯ぐきが敏感で、やはり強い力で磨くと大人より簡単に痛みや傷ついたりしてしまいます。子供用の柔らかい歯ブラシを使用し、優しく丁寧に磨くことを教えることが大切です。また仕上げ磨きの時ももちろん優しい歯磨きで丁寧にしてあげましょう。

また、子供が自分からすすんで歯磨きをする。面倒くさいこととは思わせない。歯磨きをあたりまえの習慣にしましょう。

優しい歯磨きは、歯や歯ぐきに負担をかけず、健康なお口の中を長く長く維持するための重要で大切なことです。自分のお口の中に匹敵する歯ブラシや歯磨き粉を選び、正しい磨き方で磨きましょう。

⑧食事と優しい歯磨きの関係

食事後の歯磨きのタイミングも大切になってきます。基本的には食後すぐがベストです。しかし酸性の食べ物や飲み物を食べたり飲んだりした後は、歯の表面のエナメル質が酸により一時的ではありますが軟らかくなるそうです。

この表面が柔らかくなった状態の時に強く歯を磨くと、エナメル質が削れてしまうことがあるため、酸性の食事や飲み物を食べたり飲んだりした後は、少なくとも30分以上経ってから歯磨きをした方がいいそうですが食後30分も歯磨きをするのを待っていると、むし歯の原因となってしまいます。

なので、酸性の強い飲食物を食べたり飲んだりした後は、お水やお湯でよくうがいをしてお口の中の酸を流してから、歯磨きをするようにしましょう。砂糖や炭水化物が多い食事はエナメル質を溶かしてしまいます。食事の内容も心がけることで歯に対する負担を減らすことができます。

まとめ

毎日の優しい歯磨きでの自分でするお口の中のケアと数ヶ月に一度の歯医者でのプロのケアの両方が必ず必要です。歯医者は怖いとか悪いイメージだったり”歯石取りは痛いもの”と思い込んでいる人も多いですが、「もっと早くきていたら」「悪くなる前に来ていたら」「若い頃からちゃんとお口の中をケアをしていれば」という患者さんが多いのも確かです。

ここ最近はお口の中と全身の健康の関係性も話題になっています。お口の中のケアはお口の中だけでなく全身の健康にも繋がります。当院にいつでも相談だけでも大丈夫ですので是非ご来院下さい。

投稿者:医療法人すずき歯科(tokushima-dent.jp)

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