医院ブログ

親知らずで悩まれている方へ

2025.02.09

奥歯が痛い、もしかしたら親知らずかも?と感じていても「抜きましょう」と言われるのが怖くて歯医者へ行くのをためらい、悩まれている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

親知らずは一般的に10代後半から20代前半に生えてくると言われていますが、実際に生えてきた時にどうすればいいのか、何も知らないと不安になりますよね。「抜くのは怖いけど、抜かないでそのままにしておいていいのか心配」などと感じている方のために、今回のブログでは親知らずについてご紹介していきます。親知らずで悩んでいる方にご参考になれば幸いです。

1.親知らずとは?

前から数えて8番目、最も後ろに位置する奥歯のことで「第三大臼歯」というのが正式な呼び方です。永久歯は通常、15歳前後で生え揃いますが、親知らずだけは生える時期が10代後半から20代前半と遅れて生えてきます。

また、親知らずは人によって上下左右の4本全て生える方や、13本だけ生える方、そして生まれつき全く生えない方など、様々なパターンがあります。一番最後に生えてくるため、歯のスペースがない場合は斜めや横向きに生えてきたり、歯ぐきに半分被った状態になることも多く、そのためブラッシングが上手くできずに歯ぐきが腫れたり、虫歯になることが多くあります。

痛みや腫れがある場合は、早めに歯医者を受診し、相談されることをお勧めします。

2.親知らずは必ず抜くべきか?

では、親知らずは必ず抜いた方がいいのでしょうか?いいえ、必ずしも抜かないといけないというわけではありません。親知らずを抜いた方がいい場合と抜かなくてもいい場合についてご説明します。ただし、いずれの場合もまずは歯医者を受診し、正しい診断を受けることが大切となります。

【親知らずを抜いた方がいい場合】

①斜めや横向きに生えてきている

親知らずは、前述の通り、他の永久歯よりも後から生えてくるため、生えるための十分なスペースがなく、斜めや横向きに生えてくることがあります。そのような状態だと、日常のブラッシングではそこに入り込んだ汚れを取ることができず、虫歯や歯周病になるリスクが高まります。

②何度も炎症を繰り返している

親知らず周辺の歯ぐきが腫れて痛みがある場合、お薬を飲んで一旦症状が改善しても再発することが多いです。風邪を引いたり疲れがたまったりすると、体の抵抗力が弱まり、腫れや痛みの症状がぶり返してしまうのです。

③かみ合わせや歯並びに悪影響を与えている

親知らずの生え方によっては、上下の歯がうまくかみ合わなくなることがあります。また、斜めや横向きに生えている親知らずが隣の歯を押してしまい、徐々にかみ合わせのバランスを崩してしまって歯並び全体に悪影響を与える恐れがあります。

【親知らずを抜かなくてもいい場合】

①まっすぐに生えている

まっすぐに生えていて、かみ合わせにも問題がない親知らずは、抜かずに残せる可能性があります。

②完全に骨の中に埋まっていて、今後も問題が起こる可能性が低い場合

親知らずが完全に骨の中に埋まっていて、痛みや腫れを引き起こすリスクや他の歯への悪影響がないと考えられる場合には、抜かずに残せる可能性があります。

③ブリッジの支台歯にできる場合

ある程度正常にまっすぐに生えている親知らずで、虫歯や歯周病になっていなければ、もしも前方の歯を失いブリッジを行う場合、支えとして親知らずを利用できる可能性があります。

3.親知らずは早めに抜いた方がいいと言われる理由とは?

痛みや腫れがない親知らずの場合、診察を受けて「早めに抜いた方がいい」と言われても恐怖心や不安から抜歯をためらってしまう方が多いと思います。「今すぐ抜くのは怖いから、少し様子を見よう」と考えてしまうかもしれませんが、年単位で先延ばしにするのはできるだけ控えましょう。それにはいくつかの理由があります。

①虫歯や歯周病になる前に

前述の通り、斜めや横向きに生えてきた親知らずはブラッシングしづらくて汚れが残りやすくなり、その汚れが歯石となって、虫歯や歯周病を引き起こす可能性が高まります。

②顎が成長する前に

個人差はありますが、顎の骨は20代後半まで成長すると言われており、時間がたてばたつほど親知らずは骨に定着します。そうすると抜歯が難しくなり、削らなくてはならない骨の量も増えるため、できるだけ早めに抜歯をした方がいいと言えます。

③回復が早い

20代~30代と40代~50代では回復力が違います。若いうちに抜歯をしたほうが、骨や傷の治りが早いというのも、早めに抜歯した方がいい理由と言えます。

4.親知らずを抜く場合の治療内容や流れ

では、当院で実際に親知らずの診断をする時の簡単な流れをご紹介させていただきます。

①お口の中の状態を確認し、レントゲンやCT撮影を行う

お口の中を診させていただき、親知らずや歯ぐきの状態を確認します。そしてレントゲンを撮影し、必要に応じて親知らずと神経との距離を確認するため、さらにCT撮影をする場合があります。抜歯が必要か、そのままでも問題ないか、親知らずと神経の距離は安全か、など総合的に診断します。

②お薬で炎症を抑える、口腔内を清潔な状態にする

もし、親知らず周辺の歯ぐきに炎症があると麻酔の効きが悪くなったり、出血が止まりにくかったり、抜歯後の傷が治るのに時間がかかったりするので、その場合はまずお薬で炎症を抑えます。

③抜歯当日の流れ

【麻酔】

まず表面麻酔をして、十分に効いた状態で注射麻酔を行うため、チクっと針が刺さる痛みを和らげることが出来ます。

【抜歯】

上顎の親知らずは骨も比較的軟らかいため、下の親知らずに比べるとスムーズに抜くことができると言われます。

【止血、抜歯後の注意事項の説明】

抜歯後は綿を挟んだガーゼをしばらく噛んでいただき、圧迫止血を行います。

5.親知らずの抜歯後に起こる症状「ドライソケット」について

通常であれば抜歯後、徐々に痛みは引いていきます。23日しても強い痛みが続く場合、正常な治り方をしておらず、「ドライソケット」になっている可能性があります。

6.まとめ

今回は親知らずについてご紹介しました。できれば親知らずを抜きたくないとお考えの方もいらっしゃるかもしれませんが、虫歯や歯周病のリスクを高めてしまう場合もあるので、一度歯医者でご相談することをお勧めします。

すずき歯科では、インプラントの手術を行っている外科専用の診療室も完備しておりますし、CT画像をもとに安全に抜けると判断し、また口腔内が清潔な状態で問題がなく、診察時間に余裕がある場合には当日中に治療することも可能です。親知らずでお悩みの方がいらっしゃいましたら、ぜひ一度、ご相談だけでも構いませんので当院へご連絡ください。スタッフ一同、心よりお待ちしております。

投稿者:医療法人すずき歯科(tokushima-dent.jp)

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