症例その4
通院時年齢 | 49歳 |
---|---|
性別 | 女性 |
通院目的 | 前歯が折れた |
診断 | 上顎左側中切歯が歯根破折のため保存不可能 CTによる画像診断の結果、インプラント埋入と同時に頬側の骨造成が必要と診断 |
処置内容 | 歯肉に切開し、剥離した後、インプラントの埋入と同時に骨造成を行い、歯肉を閉じて縫合した。 4ヶ月の治癒期間の後、インプラントの直上にわずかな切開を加え即日プロビジョナルレストレーション(仮歯)を装着した。 プロビジョナルレストレーションの形態を修正して左右対称の歯肉の形態が得られるのを待ってからジルコニアの上部構造の光学印象(プライムスキャンによるスキャニング)を行った。 2022年9月3日:埋入 2023年12月1日:2次オペ 2023年4月21日:上部構造装着 |
通院期間 | 7か月 |
費用 | 660,220円(税込) |
- リスク・副作用
- 最終的なインプラントの寿命は、患者さまの口腔衛生管理によって、大きく影響を受けます。管理が不十分だと、インプラント周囲炎になるリスクが増えます。
毎日のブラッシングと、歯科衛生士によるプロフェッショナルケアおよび、歯科医師による噛み合わせのチェックが重要となります。
- 総評
- 上顎中切歯(顔の真ん中にある一番大きな上の前歯)のインプラント治療は最も難易度の高い治療の一つになります。
なぜなら上顎中切歯は必ず見える位置にあり、形も周りの歯茎の形も左右対称でないと見た目に違和感が出るからです。
失われた歯を反対側の天然歯と左右対称に形態を回復させる必要がありますので、インプラントを埋め込む深さと三次元的な位置と角度を厳密に規定して手術を行う必要があります。
今回は術前に綿密に埋め込む位置を診断して、その位置に正確にうめこむためのサージカルガイドを用いて手術を行いました。
また数回に渡って仮の歯の携帯を調整し、患者さんの満足できる歯の形と歯茎の形が得られてから、仮の歯の3Dの形態をデジタルコピーすることによって最終的なジルコア製の上部構造(人工の歯と人工の土台)を作りました。
土台(アバットメント)の形は歯茎の中にありますが、歯茎の形や清掃性などを左右する非常に重要な要素です。
当院ではこのようなケースでは全て患者さんにあった完全にオーダーメイドの形の土台(アバットメント)をCADでデザインしております。
出来上がった上部構造は周囲の歯周組織とも非常に調和しており、健康な歯周組織に見られるスティップリング(小さい凹み)がインプラントの歯周組織に見られます。
適切な外科処置と生体に適合した人工歯の形態が揃ってはじめてこのような治療結果が得られます。