2024.10.03
皆さん、歯周病と糖尿病が関係していることをご存知ですか?
歯周病というと、お口の中だけの病気のように思いがちですが、歯周病は糖尿病の6番目の合併症とも言われ全身に悪影響を及ぼします。
徳島県は糖尿病罹患率ワースト上位に入っていて、普段からの生活習慣や、歯科検診の重要性を今回はお話しさせて頂きます。
食事すると血液中の糖が増えると膵臓からインスリンという物質が分泌されます。インスリンの働きにより、上がった血糖値がを下げる事ができます。インスリンの働きが悪くなると、血糖値が上がり高血糖が続くと糖尿病になります。血液中の糖が細胞に取り込まれないまま、尿中に放出されるので糖尿病と呼ばれるようになりました!
それでは糖尿病の種類について説明します。
糖尿病の数値
空腹時血糖値
正常値 88~99mg /dl
糖尿病予備軍 100~125mg /dl
糖尿病 125mg /dl
HbA1C:過去1・2ヶ月の血糖値の平均値がわかる値で、糖尿病の進行や改善がわかる指標になるもので、ヘモグロビンが血液中に酸素を運びます。
血液中に含まれる、糖分とくっついたヘモグロビンを%で表したものです。
正常値 5.9%以下
糖尿病予備軍 6.0~6.4%
糖尿病 6.5%以上
理想的な値は5.9%以下ですが、糖尿病で通院中の人は7.0%以下を目標にして、食事や
運動を心がけて生活習慣を見直してみましょう。
先天性の病気ではなく、体の免疫システムによる異常で、本来は体を守るために作られる抗体が何らかの原因で自分の膵臓を攻撃してしまうことで発症します。
自分では予防できない病気で、子供の頃に発症することも多いです。
症状
2型糖尿病は中高年の方に多く、生活習慣の乱れ、過度のストレス、遺伝により発症し、知らないうちに発症し、ゆっくり時間をかけて進行するインスリンの分泌不足によるものです。
もう一つはインスリン抵抗性です。インスリンの効きが悪いことでインスリンそのものは分泌されますが、何らかの原因で、阻害され糖を血中に取り込みづらくさせ、インスリンの働きが悪くなる事をいいます!
原因
症状
その他、ほかの疾患による糖尿病や、妊娠糖尿病があります。
では、お口の中の状態はどうでしょうか。
糖尿病の人は健康な人と比べ、唾液の分泌量が減少し、唾液中の糖分濃度が上がり、プラークの付着や細菌の増殖で歯周病が進行し、糖尿病になると、体が細菌を防止する機能を低下させます!
体の機能低下により、感染したダメージが回復するのにも時間がかかり、高血糖により血管が傷つき歯周病が進行しやすくなります。
また、歯肉の炎症物質が、血液を介して全身に流れてインスリンの効きを遅らせ、歯周病が糖尿病を悪化させるともいわれています!
歯周病は細菌感染症です。歯周病の原因はポルフィロモナス・ジンジバリスと言う細菌に感染する事によりプラーク(歯垢)を形成します。40歳以上の約半数は歯周病で
あると言われていて、歯を失う原因の1位になっています。
歯周病は「サイレントキラー」とも呼ばれ、初期症状は、ほとんどない事が多く、ゆっくり時間をかけて進行します。
プラークは歯の表面に細菌の膜をはり、バイオフィルムと呼ばれています!バイオフィルムはお口を水ですすぐだけでは取れません。歯磨き粉や、デンタルフロス、歯間ブラシなどを使って隅々まできれいにする事で、細菌の付着を除去することができます。
・歯茎からの出血や発赤
歯ブラシで出血したり、進行すると膿がでる
・歯がグラグラする
歯と歯茎の間にある歯周ポケットの深さが深くなり、歯を支える歯槽骨が溶けて歯が動きはじめます。
・お口の中がネバネバする
虫歯の菌や歯周病の菌が増えると、唾液がネバネバします。また口呼吸は口腔乾燥やネバつきの原因になります。
・口臭がある
メチルメルカプタンというガスの発生により硫化水素のような匂いがでます。
・歯石がついている
歯石がついても、多量につくまで気づかない事が多いため、定期的に歯科医院でクリーニングや歯石除去をしましょう。歯石とはプラークが石灰化したものであり、柔らかいプラークとは違い、硬くて歯ブラシだけでは取れません。
中等度の歯周ポケットがお口全体にある場合、そのポケット全体の表面積は手のひらサイズと同じと言われています。歯周ポケットの深さは見えませんが手のひらサイズの炎症があり、出血や膿が放置されているのと同じです!
そう考えると、そのまま放置できないはずです。
・お口全体の歯周ポケットの測定をして、どのくらいの深さの歯周ポケットがあるのか調べます。同時に出血の有無や、排膿がないか調べます。健康な歯肉のポケットの深さは1ミリ~3ミリです。
・歯垢染色液を使って、歯を染めてバイオフィルムの付着状態を調べます。
・超音波や、手用器具(スケーラー)を使って歯石除去や、ポケット洗浄する
・おうちでのホームケアができるように歯ブラシ、フロスや歯間ブラシの指導
などがあります。歯周病が進行すると、歯が動いて噛み合わせが悪くなることがあるので、噛み合わせのチェックも必要です。
・歯科の定期的な受診
上記でもお伝えしたように、歯周病の初期症状はほとんどない状態から緩やかに進行する細菌感染です。何も気になる事や症状がなくても3〜4ヶ月ごとに受診しホームケアでは出来ない場所の汚れをとり、細菌の付着を予防させましょう。
タバコには「百害あって一利なし」と言う言葉があるように、何一つ良いことはありません!
タバコに含まれるニコチン、タールは歯周病、糖尿病どちらも進行させ、糖尿病になるリスクが2倍になります!タバコを吸うと交感神経が刺激され、血糖値が上昇したり、血糖値を下げるインスリンの働きを邪魔してしまいます!
ニコチンは化学物質で、毒物に分類されており、約70種類の有害物質が含まれていて血圧を上昇させます。お口の中では歯茎の毛細血管の血流を悪くして歯周病を進行させます。
最近では、紙タバコより電子タバコが増え、色んなフレーバーもあるようですが、電子タバコは水蒸気を吸うものですが、ニコチン入りの電子タバコとニコチンなしの電子タバコのリキッドがあるのでニコチン入りの電子タバコを吸うなら、紙タバコと同じ健康被害のリスクがあるので注意が必要です。
アイコスは加熱式の電子タバコで、電子タバコと同じ水蒸気を吸うものですが、紙タバコと同じタバコの葉を使っています。少なからず、ニコチン、タールを吸い込むことになるので、体にはよくありません!
歯周病が全身に及ぼす悪影響
などがあります!
歯周病治療は、糖尿病管理をしていく上でも、とても重要です!
歯周病は歯肉の炎症をひきおこす細菌感染症ですが、血糖値のコントロールに悪影響を及ぼします。糖尿病になると歯周病になりやすく糖尿病患者の3分の2が、歯周病を発症しています。また、歯周病が
進行しやすくなり、血糖値も上がりやすくなります!
これは、体内の炎症が血糖値を下げるインスリンの効果を下げるためで、定期的な歯科検診を受けて細菌を減らし、お口のケアをすることにより自分では気が付かなかった、炎症の早期発見、早期治療や、クリーニングする事で、糖尿病の改善にも繋がります!
糖尿病と歯周病、両方を管理すると、体の健康維持にもつながりますので、症状がなくても歯科の定期検診を受診しましょう!当院には管理栄養士も在籍しておりますので、食生活の相談などありましたら、お気軽にお声掛けください。
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