2026.06.19
本記事には、手術中の様子を写した写真(出血や切開箇所など)が含まれます。 苦手な方や体調の優れない方は閲覧をお控えいただくか、十分にご注意ください。
| 項目 | 内容 | 治療内容 | 上下顎オールオンX(上顎オールオン6・下顎オールオン4) |
|---|---|
| 年齢 | 61歳 |
| 性別 | 男性 |
| 期間 | 約7か月 |
| 費用(税込) | 5,910,500円(自由診療) |
| リスク・副作用 | ・定期的な咬合のチェックや清掃を怠るとインプラント周囲炎が起こることがあります。 |
目次
今回の患者さんは、61歳の男性です。重度の歯周病により、多くの歯がぐらつき、食事がしづらいとのお悩みで来院されました。また、欠損部分を補うために使用していた入れ歯も、噛むたびに痛みや不快感がある状態でした。
「もう一度、しっかり噛めるようになりたい、そして見た目も自然に回復したい」というご希望をお持ちでした。
初診時の口腔内写真および精密検査の結果、全顎的に進行した重度の歯周病と診断いたしました。
多くの歯が支えとなる骨を失っており、歯科医師の視点からも保存が難しい状態であることが確認されました。また、長年の歯周病と合わない入れ歯の影響により、歯ぐきの粘膜にも炎症が見られました。
このままでは咀嚼障害が進行し、食事や日常生活に影響を及ぼす可能性が考えられたため、抜歯を含めた機能回復のための治療をご提案いたしました。
歯の欠損や重度の歯周病、噛み合わせの悪化などにより、食べ物を噛み砕く機能が著しく低下した状態を指します。
患者さんの「取り外し不要な固定式の歯で、すぐに噛めるようになりたい」というご要望を踏まえ、上下顎ともにオールオンX治療を計画いたしました。
まずコンピュータ上のシミュレーションソフトを用いて、骨の厚みや神経の位置を確認しながらインプラントの埋入位置を決定します。そのデータに基づき、サージカルガイドを作製します。
上顎は、サージカルガイドを装着し、残存歯を抜歯した同日に6本のインプラントを埋入する「オールオン6」を行います。手術当日に、仮の歯を固定する計画としました。
下顎は、残存歯が多くサージカルガイドが使用できない状態でした。そのため、フリーハンドでの埋入を行います。残存歯を抜歯後、4本のインプラントを埋入する「オールオン4」を行います。
インプラントが骨と結合した後に、耐久性と審美性に配慮したジルコニア製の上部構造を装着し、治療終了とする流れとしました。
最小4本から6本のインプラントで、片顎全ての人工歯を支える治療法です。症例によっては、抜歯からインプラント埋入、仮歯の装着までを1日で行える場合があります。術後の状態に応じて、柔らかい食事から開始できることもあり、身体的・精神的な負担に配慮した治療方法の一つです。
シミュレーションした通りの位置・角度・深さにインプラントを埋入するために、手術時にお口の中に装着するマウスピース型の補助装置です。
手術は、事前のシミュレーションと段階的な計画に基づいて実施いたしました。
まず、上顎の保存が難しい歯を抜歯し、作製したサージカルガイドを使用して、治療計画に基づいた位置と角度で6本のインプラントを埋入いたしました。
埋入直後には、インプラントの初期固定が得られていることを確認したうえで、固定式の仮歯を装着しました。
手術後は、インプラントと顎の骨が安定して結合するまで治癒期間を設け、経過を観察しました。
上顎のインプラントの状態が落ち着いたことを確認した後、下顎の手術へと進みました。 下顎は残存歯が多くサージカルガイドが使用できなかったため、治療計画に基づき、フリーハンドで4本のインプラントを埋入いたしました。また、埋入直後に固定強度を確認し、固定式の仮歯を装着しました。
上下顎を同日に手術せず段階的に治療を進めることで、身体的な負担に配慮した治療計画としました。
治療後は、無理のないよう柔らかい食事から開始していただきました。その後も定期的な経過観察を行い、インプラントと骨が安定して結合したことを確認したうえで、最終的な上部構造の製作へ進みました。
歯を抜くと同時にインプラントを埋入し、さらにその日のうちに仮歯を装着する手法です。症例によっては、治療期間の短縮や歯がない期間の軽減が期待できる場合があります。
治療開始から7か月後、最終的な上部構造であるジルコニア製のブリッジを装着いたしました。ジルコニアは比較的自然な見た目と高い強度を兼ね備えた材料です。また、汚れが付着しにくい特性があり、良好な口腔内環境の維持に配慮しやすいとされています。
装着後は「以前より食事がしやすくなったと感じる」とのご感想をいただきました。 今後はインプラント周囲炎のリスク軽減を目的として、定期的な噛み合わせのチェックと歯科医師による専門的なクリーニングを継続してまいります。
当院では噛みやすさの改善を目指した治療をご提供しています。歯周病や入れ歯、インプラント治療でお悩みの方はぜひ一度当院へご相談ください。
▼初診時(入れ歯未装着時)


【経歴】
1983年 徳島大学歯学部 卒業
1987年 徳島大学大学院歯学研究科 修了(歯学博士 取得)
1987年 徳島大学歯学部 助手
1989年 徳島大学歯学部附属病院 第二補綴科 外来医長
1992年 徳島大学歯学部にブローネマルクインプラントを導入
2000年 徳島大学歯学部附属病院 講師
2000年 医療法人すずき歯科 開設(徳島市住吉)
2003年 医療法人すずき歯科 法人化
2020年 医療法人すずき歯科 移転開設
【所属学会・スタディーグループ】
・日本補綴歯科学会(専門医・指導医)
・日本口腔インプラント学会(専門医)
・MID-G 役員
【修了セミナー・研究分野】
・ブローネマルクインプラント研究
・顎運動のコンピュータ解析(シミュレーション研究)
・補綴および顎機能回復に関する臨床・教育活動
・外科手術・オペノートによる症例記録研究
【専門分野】
・補綴歯科治療(義歯・被せ物・ブリッジなど)
・インプラント治療
・咬合・顎機能再建
・口腔リハビリテーション
・補綴治療(セラミック)
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