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インプラント手術後の過ごし方

2024.03.04

Dentist dental teeth teaching model showing titanium metal tooth implant screw.

 インプラントの治療では、外科手術を行います。当院では日帰りで行うため、その日のうちにお帰りいただけます。ですが手術が終わったからといって自由に行動してよいわけではありません。患部の感染を防ぎ術後の回復を早めるためにはいくつか気をつけたいことがあります。

 今回は、インプラント治療における手術後の過ごし方についてご紹介します。

インプラント治療で行う手術とは

 手術で顎の骨にチタン製の人工歯根を結合させるために埋めます。

年齢を重ねていくと、むし歯や歯周病、外傷などの原因によって歯を失う可能性があります。そのようなときには、見た目だけでなく歯としての機能を回復させるためにも、歯を補う治療が必要です。歯を補う治療の選択肢として、インプラント、ブリッジ、入れ歯が挙げられますが、見た目と機能性に最も優れているものがインプラントであるといえるでしょう。インプラントとは、歯を失った場所の顎の骨に人工歯根を埋め込み、その上から人工歯を被せる治療方法です。

 インプラントの治療法では1回法、2回法といった手術の回数を分ける方法があります。

今回は2回法による手術について解説します。まず1回目の手術では、歯を失った箇所の歯ぐきを切開し、顎の骨を露出させます。ねじのような形をしているフィクスチャーと呼ばれるチタン製の人工歯根を埋入する処置を行います。その後、顎の骨と人工歯根が完全に結合するのを待ってから、2度目の手術で1度目の手術で埋めたフィクスチャーにヒーリングアバットメントを装着します。1カ月程、歯肉の治癒を待ちます。治癒された後はヒーリングアバットメントを外し、人工歯を装着して完成です。

手術後の痛み

局所麻酔によって痛みは抑えられるが処方された薬は指示通り飲みましょう。

手術を行う際には、処置を行う箇所の周囲に麻酔の薬液を注射で浸透させ、一時的に感覚を消失させる局所麻酔を行います。手術中の痛みはほとんどありませんのでご安心ください。この局所麻酔は術後も2〜3時間程度は効果が持続しますが、麻酔がきれたあとには痛みが出る可能性が高くなります。できるだけ痛みを最小限に抑えるためにも、術後は安静にしていただくことが第一です。

 また、術後には患部の感染を防ぐための抗生物質と、痛み止めの鎮痛剤を処方いたします。麻酔がきれて、痛みが出るよりも前に鎮痛剤を服用しておくことで、麻酔が完全にきれたあとも痛みを多少和らげることが期待できるでしょう。鎮痛剤に関しては、基本的に痛みがあるときに服用していただければ問題ありませんが、抗生物質に関しては指示された通りの回数、容量を守り、処方された日数分全て飲み切るようにしてください。

手術後の食事・飲み物

患部への刺激が高い温度や酸味のある飲食物は控えましょう。

 術後すぐはまだ局所麻酔がきいている状態であるため、食事は控えてもらいます。麻酔がきいている状態ではお口周りの感覚が麻痺しており、食事をすることで誤って舌や口の中の粘膜を噛んでしまう、熱いものでやけどをしてしまうといったトラブルの原因となります。

 麻酔がきれたあとであれば食事は可能ですが、患部はデリケートなので、基本的に食事をするときには患部と反対側の歯で噛むようにしましょう。せんべいやナッツのように固いものやお餅などの弾力性のあるものは負担になってしまうため、控えたほうがよいでしょう。おかゆやスープ、ゼリーといった柔らかいものがおすすめです。おかゆやスープの場合は、熱すぎないようにできるだけ常温近くまで冷ましてから食べるようにするとよいでしょう。また、辛いものや酸っぱいものなどの刺激が強い食べ物も、患部の痛みや腫れ、再出血の原因となるおそれがあるため、1週間程度は控えてください。

 飲み物に関しても同様です。熱い飲み物やよく冷えた飲み物、炭酸飲料なども患部への刺激となるので、手術当日は控えてください。

手術後の過ごし方

運動は控えて、規則正しい生活を送りましょう。

 患部の治癒を早めるためにも、規則正しい生活を心がけましょう。インプラントの手術の前後には、大きな予定は入れないようにして、安静に過ごすように努めましょう。十分に睡眠をとって身体を休めることが大切です。また、激しい運動は血流がよくなってしまい、再出血の原因となる可能性があります。ウォーキング程度の軽い運動であっても始めるのは術後2、3日が経過してからとし、激しい運動は術後1週間程度控えましょう。入浴についても同様です。熱いお風呂に長時間つかることは術後数日間控え、シャワーを浴びる程度にしておきましょう。

手術後の歯磨きについて

患部以外の歯磨きはいつも通り行いましょう。

 手術後の患部はデリケートであるため、歯磨きをするのも気が引けるかもしれません。とはいえ、歯磨きをしないでいるとお口の中にプラークなどの汚れや細菌でいっぱいになり、患部の清潔を保つことも難しく傷口の治癒の遅れ、細菌感染のリスクが高まります。

 歯磨きをする際のポイントについて紹介します。

歯磨き

 患部以外の箇所については、いつも通りに歯磨きなどのセルフケアを行いましょう。患部に隣接する歯を磨くときには、歯ブラシの毛先が患部に直接当たらないように気をつけましょう。通常の歯ブラシだと磨きにくい場合は、ワンタフトブラシのようにポイント磨きができるツールを使ってみましょう。

歯磨き粉

 研磨剤などの粒子が含まれている歯磨き粉は患部に粒子が入り込んでしまう可能性があるため、術後は避けることをおすすめします。代わりにジェル状の歯磨き粉や液体歯磨きもおすすめです。

うがい

 うがいをするときにも注意したい点があります。お口の中を清潔にしようと強くぶくぶくうがいをしてしまうと、患部の出血を止めているかさぶた様のものが剝がれてしまいます。再出血する可能性があるので、うがいをするときは優しくゆすぐ程度にし、回数も1〜2回にとどめましょう。

飲酒や喫煙について

 インプラントの手術前後の飲酒、喫煙は控えておきましょう。お酒は血流をよくしてしまい、再出血の原因となる可能性があるため、術後1週間程度は控えた方がよいでしょう。

 喫煙を控えてもらいたい理由はインプラントと骨が結合しない可能性が高まるからです。ニコチンによって血管が収縮してしまい、血流が悪くなります。すると血中に含まれる酸素や栄養がうまく供給されず、手術によってできた傷口の治癒やインプラントと骨の結合に悪影響を及ぼしてしまいます。

まとめ

 今回は、インプラント治療における手術後の過ごし方についてご紹介しました。手術後1週間程度は激しい運動を控えて、飲食に関しても患部に刺激など負担をかけないようにしましょう。患部は清潔に保ち、規則正しい生活を心掛けて安静に過ごすことが大切です。

 当院の院長は、日本口腔インプラント学会の専門医です。徳島大学病院時代より数多くのインプラント症例を担当しており、他院では難しいとされる症例でも対応が可能なほどの高い技術力をもっています。他院で治療を断られてしまった方も、お気軽にご相談ください。

 ご予約は、お電話もしくはWEBからお待ちしております。

投稿者:医療法人すずき歯科(tokushima-dent.jp)

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