2025.06.18
インプラントとブリッジの違いとは?
歯を失ってしまったとき、どのように補うかはとても大切な問題です。現在、代表的な治療法として「インプラント」と「ブリッジ」があります。どちらも一般的な方法ですが、それぞれに特徴があり、患者さんの状態や希望に応じた選択が求められます。
今回は、インプラントとブリッジの違いについてわかりやすく説明し、治療選択のヒントとなるような具体例やメンテナンスの重要性についてもご紹介します。
目次
インプラントとは、歯を失った部分に人工の歯根娔インプラント体娘を顎の骨に埋め込み、その上に人工の歯を装着する治療方法です。
見た目が自然で、噛む力も自分の歯に近く回復できるため、近年人気が高まっています。
インプラント治療では、まずチタンなどでできたインプラント体を顎の骨に埋め込む手術を行います。チタンは生体親和性が高く、骨としっかり結合する性質があるため、数カ月かけて骨と一体化娔これを「オッセオインテグレーション」といいます娘します。
その後、アバットメントという連結部分を装着し、最後にセラミックなどでできた人工の歯娔上部構造娘を取り付けて完成です。
この治療法の最大の特徴は、「周囲の健康な歯に負担をかけない」こと。たとえば従来のブリッジ治療では、両隣の健康な歯を削って支えにする必要がありましたが、インプラントならその必要がありません。
また、入れ歯のようにズレたり外れたりすることもなく、食事や会話も快適に行えます。
ただし、インプラントには手術が必要で、治療期間も数ヶ月から1年と長めです。骨の量や歯茎の健康状態によっては、骨移植などの追加処置が必要になる場合もあります。また、自由診療となるため、費用は比較的高額です。
ブリッジは、失った歯の両隣にある歯を削り、その上に連結した人工歯を固定する治療法です。橋をかけるようなイメージから「ブリッジ」と呼ばれています。
この方法の大きな特徴は、治療期間が短く、通院回数も少ないことです。手術の必要がないため、体への負担も比較的軽く、保険適用になるケースも多いため、費用を抑えやすいのも利点です。
一方で、ブリッジは健康な歯を削る必要があり、これらの歯に大きな負担がかかります。長期間使用すると、支えている歯が弱ってしまう可能性もあります。また、清掃が難しく、虫歯や歯周病のリスクもあるため、定期的なメンテナンスが欠かせません。
治療方法の点では、インプラントは人工の歯根を顎の骨に埋め込む外科的処置を伴いますが、ブリッジは隣の歯を削って被せ物を装着する方法です。インプラントは骨と結合するまでに時間がかかりますが、ブリッジは比較的短期間で完成します。
見た目については、インプラントの方がより自然で、本物の歯と見分けがつかないほどです。特に前歯の場合は審美性の高さが重要となるため、インプラントが適していることが多くなります。ブリッジも見た目は悪くありませんが、支えとなる歯の状態によっては目立つこともあります。
費用面では、インプラントは保険が適用されないため、自費診療となり費用が高くなります。一方、ブリッジは保険適用となる場合が多く、比較的費用を抑えられます。ただし、長い目で見ると、インプラントの方が耐久性が高いため、結果的にコストパフォーマンスに優れているともいえます。
健康への影響については、インプラントは他の歯を傷つけることなく独立して機能するため、隣接する歯に負担をかけません。また、噛む刺激が骨に伝わることで、顎の骨が痩せにくくなるメリットがあります。ブリッジは周囲の歯に負担がかかりやすく、削った歯の寿命が短くなるリスクがあります。
寿命に関しては、インプラントは正しくケアすれば10年~20年使えることも珍しくありません。ブリッジは支えている歯の状態に大きく左右され、数年おきに再治療が必要となることがあります。
患者さんの年齢や生活スタイル、治療への考え方によって、適した治療法は異なります。
たとえば「仕事で忙しくて長期間の通院は難しい」「費用はできるだけ抑えたい」という方であれば、ブリッジの方が現実的な選択肢になることがあります。短期間で仕上がり、保険診療が可能なため、経済面・時間面の負担が少ないからです。
一方で「これから長く健康な歯を維持したい」「見た目にもこだわりたい」という方には、インプラントが適している場合があります。長期的に安定して使え、見た目も自然で、自分の歯のような使い心地が得られるためです。
また「すでに入れ歯を使っていて違和感がある」「ずっと噛みにくさに悩んでいる」という方にも、インプラントは有力な選択肢になります。入れ歯のようにずれたり外れたりすることがなく、しっかり噛める生活を取り戻せます。
このように、治療の選択は一人ひとり異なります。治療前にカウンセリングを行い、ご自身の生活スタイルやお悩みに合った選択をすることが大切です。
インプラントもブリッジも、治療後のメンテナンスが非常に重要です。
インプラントは虫歯にはなりませんが、「インプラント周囲炎」と呼ばれる歯周病のような状態になることがあります。これを放置すると、せっかく埋めたインプラントが抜けてしまうこともあります。インプラントは天然歯に近い機能を持ちますが、それを保つには、日々の丁寧なブラッシングと定期的な歯科でのクリーニングが欠かせません。
ブリッジは特に支えている歯に汚れがたまりやすく、虫歯や歯周病のリスクが高くなります。ブリッジの下は清掃が難しい構造になっていることも多く、デンタルフロスや歯間ブラシの使い方の指導を受け、しっかりとセルフケアを行う必要があります。
また、どちらの治療法でも、定期的な歯科医院でのチェック娔メインテナンス娘を受けることが、治療の寿命を大きく延ばす伴になります。半年に一度の定期検診を受けることで、トラブルの早期発見・予防が可能になります。
インプラントとブリッジ、それぞれにメリットとデメリットがあります。大切なのは、「どちらが優れているか」ではなく、「自分に合っているのはどちらか」を見極めることです。
治療法を選ぶ際には、まずご自身の生活スタイルやライフステージにおいて、どのような機能や見た目を重視したいのかを明確にすることが重要です。
たとえば、食事を快適に楽しみたい、会話のときに自信を持ちたい、将来的なメンテナンスの負担を減らしたいといった希望があるかもしれません。
また、治療にかけられる時間や費用についても、無理のない範囲で現実的に考える必要があります。
さらに、現在の健康状態や持病の有無、年齢なども治療方針を決定するうえで大きな要素となります。
これらの点を総合的にふまえ、歯科医師と十分に相談しながら、将来を見据えて慎重に選択することが、満足のいく治療結果につながります。
当院ではインプラントもブリッジも豊富な治療実績があり、患者さん一人ひとりの生活やお口の状態に合わせた治療をご提案しています。しっかりカウンセリングを行い、安心して治療を受けていただける環境を整えています。
「歯を失ってしまったけれど、どうしたらいいかわからない」という方も、まずはお気軽にご相談ください。私たちがあなたにとって最適な治療を一緒に考えていきます。
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