2023.11.27
インプラント治療は体内にチタンを埋め込む手術が必要であるため、安全性に問題はないか気になりますよね。歯を失ってしまった場合の治療方法として、入れ歯やブリッジといった治療方法もありますが、歯としての機能や見た目を自然の歯に近い状態へするならばインプラント治療がおすすめです。ですが安心して治療を受けるためにも、安全性とリスクについて理解を深めることが重要です。
今回は、インプラント治療の安全性とリスクについて解説をします。また、歯科医院の選び方が分からないといった方にも、選ぶポイントを紹介します。
インプラントとは、一般的に体内に埋め込む器具のことを指します。歯科業界におけるインプラントでは人工歯根が当てはまります。顎の骨に人工歯根を埋めて、その上に人工歯冠を被せて歯を再現します。入れ歯やブリッジと比較して、審美性(見た目)が優れており、人工歯を支えるために周囲の歯を利用しないため、周囲の歯は削る必要がなく、健康でいられます。このメリットによってインプラントは注目を浴び、選ばれています。
歯を失う原因はさまざまですが、代表的には以下の2つの原因が挙げられます。
・むし歯、歯周病:日頃からの歯磨き不足、定期検診の怠りによって、むし歯や歯周病が進行してしまった結果。
・外的要因:交通事故やスポーツなどの外傷によって、歯が折れたり、抜けたりすることがあります。
インプラント治療は外科手術を伴うため、安全性やリスクについて不安を感じる方もいるかもしれません。インプラント治療に使用される材料の安全性や手術のリスクを理解することで、安心して治療に臨むことができます。
顎の骨に埋め込む人工歯根は主に「チタン」や「チタン合金」で作られています。これらは金属ではありますが、金属アレルギーが発症しにくい特徴を持っています。また、チタンはインプラントだけではなく、人工骨やペースメーカーなどにも使用されており、様々なケースにおいて拒絶反応が起こりにくく、生体への適合性が非常に高いです。
インプラント治療を検討中の方で、普段から金属アレルギーの反応が強く、不安のある方は事前にアレルギーテストを受けることをおすすめします。
チタンは人工歯根として顎の骨に埋め込まれると、周囲の骨や組織と強固に結びつきます。これにより、歯がしっかりと安定し、噛む力を効果的に伝えることができます。この強固な結合によって、歯は長期間にわたって正常な機能を保つことが可能です。
インプラント治療は、成功率が95%を超えるほど高い治療法ですが、感染症や偶発症のリスクが存在するため、その点について説明します。
インプラント手術中や後には、傷口からの細菌感染リスクがあります。手術中には歯科医師が感染対策に細心の注意を払っていますが、手術後も傷口は完全にふさがっているわけではありません。食事についても注意し、、刺激を避けて、口腔内を清潔に保つよう心掛けましょう。また処方されたお薬は術後の感染予防のために歯科医師の指示通りに飲んでください。
インプラント手術後の体調によって、まれに唇や舌、頬などが一時的に麻痺することがあります。また、手術部位の状態によっては、炎症や過敏症などの症状もまれに生じることがありますが、ほとんどの場合は1週間程度で傷口は治癒します。
インプラント治療は機能性と審美性において優れ、高い成功率を誇る治療法ですが、特定の条件に該当する方は治療前からリスクが高まる場合があります。これは、患者様の個々の状態や健康状態によるものです。どのような方がリスクが高いのか、具体的に説明していきます。
歯周病は細菌感染によって引き起こされる炎症性疾患です。歯周病が進行すると、歯を支える骨が溶かされ、歯がぐらついてしまいます。歯周病を治療せず、インプラント治療を受けると、歯周病菌が侵入しやすくなり、インプラント周囲炎の合併症リスクが増加します。そのため、歯周病を治療をしてからインプラント治療を行うことで、リスクを減らすことができます。
喫煙は血管を収縮させ、血流を悪化させることで傷ついた組織の修復を遅らせる可能性があります。インプラント治療後の組織の修復には時間がかかりますが、タバコを吸うことで血液中の酸素や栄養素の供給が妨げられ、治癒が不十分となり、インプラントが顎の骨との結合が中途半端になってしまい安定しない可能性があります。
喫煙者の方は、治療前後で禁煙を検討することをおすすめします。
インプラント治療は人工歯根を顎の骨に埋め込む治療法ですが、骨の量が不足している方は、インプラントが顎の骨との結合が難しい場合があります。骨の量が不足している場合、自家骨移植という方法を検討することがあります。これはインプラントを埋め込む部位とは別の部位から骨を移植し、骨を造成する方法となります。
インプラント治療には手術が伴います。そのため、高血圧や糖尿病、肝機能障害などの症状で健康状態に問題がある方は、手術のリスクが増加する可能性があります。健康状態に問題がある方は、必ず歯科医師に相談し、治療の可否を判断してもらいましょう。医学的な知識と検査結果を基に、適切な判断が行われます。
インプラント治療を受ける前に、自身の健康状態に不安がある場合は、口腔内の状態以外に関することも歯科医師に相談することをおすすめします。リスクが高いからと諦めるのではなく、治療ができる状態を目指す取り組みについてアドバイスを受けてみましょう。
インプラント治療は手術を伴うため、安全性を確保し、患者様に寄り添った治療を提供する歯科医院を選ぶことが重要です。安心できる歯科医院を選ぶポイントを紹介します。
設備が充実しているかは、安全にインプラント治療の安全性に関わる大切な要素です。
歯科用CTは完備されているでしょうか?歯科用CTは口腔内を3D画像診断でき、立体的に把握できます。正確な骨の状態を調べることもでき、安全で確実性のある治療を行うために現在では必要不可欠な診断機器です。
また、衛生管理への取り組みも重要です。インプラント治療は一般的な治療と比べて感染のリスクが高いため、使用する器具の消毒や滅菌、手術スペースの衛生管理が徹底されているか確認しましょう。
信頼性のあるメーカーのインプラントを使用しているか確認することが大切です。有名メーカーのインプラントと形が似ているだけで、価格が安い他のインプラントを選ぶことは避けましょう。耐久性や生体適合性に違いがあるため、トラブルのリスクを減らすためにも信頼性のあるメーカーのものを選びましょう。
治療前に患者様の不安や疑問に対して十分な説明が行われることは非常に重要です。また、患者様の既往歴や生活習慣などの詳細な情報をヒアリングし、手術の可否を判断し、適切な治療計画を立てるための事前のカウンセリングは欠かせません。
担当医の経験と実績が豊富であるかにもついて注目すべきポイントです。特に、口腔インプラント専門医や指導医の認定を受けているか、勤務年数や年間のインプラント治療実績を確認しましょう。これらの経歴が信頼できるものであれば、患者様に合わせた適切な治療方針を提案し、理想のお口に近づけるよう導いてくれるでしょう。
インプラント治療は成功率の高い治療法ではあるのですが、安心して治療を受けるためには「リスクを理解すること」、「生活習慣を見直すこと」、「信頼できる歯科医院を選ぶこと」が大切です。適切なケアを行う限り、インプラントは10年、20年と長く使用することが可能です。
インプラントを検討中で疑問やお悩みがある方、他の歯科医院で治療を断られてしまった経験がある方は、ぜひ、当院にご予約いただき、お気軽にご相談ください。
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