医院ブログ

知覚過敏の原因と予防

2025.01.12

知覚過敏は、正しくは象牙質知覚過敏症といいます。神経がしっかりと生きている歯のことを生活歯といいますが、むし歯や神経の炎症などを起こしていない生活歯に生じる、一過性の痛みのことをいいます。

冷たいものを口に含んだり、甘いものや酸っぱいものを食べたり、飲んだりした時や、歯みがきのときの刺激などにより発症します。また、寒い時期には冷たい風を吸い込んだことでも起こってしまいます。

また、ブラッシング不良により汚れが停滞している部位にも発症しやすいです。

●知覚過敏のチェック

  • ✅歯ブラシの毛先があたると痛い
  • ✅冷たいものを食べたり飲んだらするとしみる
  • ✅痛みは一時的ですぐ治る
  • ✅歯ぐきが下がってきた
  • ✅歯ぎしり・食いしばりがある

この中で当てはまる項目が一つでもあれば知覚過敏の可能性があります。

知覚過敏の症状

最も多いのが、冷たいものの刺激による痛みです。痛み自体は、一時的なもので、持続的に痛くなることはあまりありません。継続される日数もまちまちで、数日〜数週間です。

また咬耗やブラッシングでの磨耗でエナメル質がすりへり象牙質が露出している場合は、数ヶ月の場合もあります。症状が出やすいのは、冷たいものだけでなく、温かいものやチョコレートなどの甘いもの、柑橘類や酸味のあるものの接触でも起こります。

もし、鎮痛薬がないと耐えられないような痛みや持続性の痛みであれば、それは知覚過敏ではなく歯髄炎という歯の神経の炎症であると考えられます。ほか、上下の歯を咬み合わせた時に痛みを併発する場合も、知覚過敏ではなく歯髄炎を生じている可能性が高くなります。

●知覚過敏の原因

歯茎の退縮

歯ぐきの退縮とは、歯ぐきが痩せてくることです。実は、歯ぐきは正常な状態でも年々退縮していくものなのです。強すぎるブラッシング圧でも退縮します。

歯ぐきが退縮すると、それにともない歯ぐきに覆われていた象牙質が露出していきます。象牙質の露出によって、知覚過敏が起こります。

歯の磨耗(すりへり)

歯は年とともにすり減ってきます。歯がすり減ると、歯の神経の周囲を覆っている歯の厚みも減少してしまいます。それにともなって、冷たいものなどの刺激が伝わりやすくなりますので、知覚過敏をもたらします。

虫歯の治療

むし歯の穴が深くないときなど、歯の神経を残すようにむし歯治療をするときがあります。このようなときは、コンポジットレジンというプラスチック製の詰めものや、金属でできたインレーとよばれる小ぶりの詰めものをします。

これらは人工物なので熱の伝わりやすさなどの物性が、歯とは異なります。そのために、治した部分からの刺激が歯をしみさせてしまうことがあります。

歯が欠ける

硬いものを噛んだり、転倒して歯をうったりするなどの原因で歯が欠けてしまうことがあります。すると欠けた分、歯が薄くなってしまうので歯がしみやすくなります。

ホワイトニング

ホワイトニングとは、歯を漂白して白くする治療法です。ホワイトニングは、薬剤を塗るだけなので、歯を削ったり詰めたりするわけではないのですが、その副作用で歯が知覚過敏を起こすことがあります。

歯周病の進行

歯周病や、歯周病の治療により歯茎が下がり歯の根が露出し、知覚過敏を引き起こします。

加齢

歯周病じゃなくても加齢により歯茎が下がり知覚過敏が出やすくなります。

●知覚過敏を予防するには

歯ブラシで磨く力を優しくする

歯磨きは毎日するので、ゴシゴシと強い力を入れて磨くと磨耗してエナメル質を削ってしまい象牙質を露出させたり歯茎も痩せやすくなって知覚過敏を起こしやすくなります。優しく丁寧に磨きましょう。

酸性の食品や、飲み物を減らす

食べ物(柑橘類、酢の物、ドレッシング、ヨーグルトなど)飲み物(炭酸飲料、ビール)酸性の飲み物を飲むと、歯の表面のエナメル質が溶けることがあります。エナメル質は体の中で最も硬い部分ですが、pH5.5以下になると溶けてしまいます。これら酸性の食品を飲んだり食べたりしてすぐに歯がしみたり、歯に穴があいたりといったことが起こるわけではありません。しかし、歯が数分、酸にふれるだけでも、固い歯の表面はやわらかくなります。

フッ素を塗る

知覚過敏用の歯磨き粉を使う。フッ素はエナメル質を強くし、再石灰化を促進して歯を強くしてくれます。また象牙質の小さな穴をうめて知覚過敏を防ぐ効果があります。研磨剤が入った歯磨き粉は歯面を傷つけ知覚過敏になりやすいので注意しましょう。

歯科の定期検診

定期的に歯科を受診することで、虫歯や歯周病の早期発見はもちろん、知覚過敏になりそうな歯の磨耗を見たり、噛み合わせを調べて、歯の負担が強い場所の噛み合わせの調整をする事で知覚過敏を予防できます。

知覚過敏の症状がでたら

我慢せずに、まず歯科医院を受診しましょう!少し冷たいものが沁みるくらいなら大丈夫と思いがちですが、歯科を受診することで、知覚過敏になった原因がわかったり対策ができます。

知覚過敏の治療は、知覚過敏用の塗り薬を塗ったり、また磨耗で歯が削れている所をレジン樹脂でカバーするような処置をするとしみる症状が改善できます。

ストレスを溜めない

ストレスが溜まると力が入っている時間が増え、無意識のうちに歯を食いしばっていたり、顎関節にも悪影響を及ぼす事があるので、リラクゼーションなど心体共に、休む時間をとりましょう!

また適度な運動をする事でもストレスが溜まりにくくなりますので、体を動かす習慣をつけましょう!

食生活の見直し

糖質のとりすぎや、栄養のかたよりによって、体調が崩れやすくなります。

タンパク質をしっかりとって、栄養バランスのとれた食事をしましょう!カルシウム(乳製品、小魚、豆腐)やビタミンDが多い食べ物(魚類、きのこ)は歯を強くします。

ビタミンCは、歯茎の健康維持に役立つ栄養素です。歯茎の健康状態が改善されることで、歯根部の露出が抑えられ、知覚過敏の発生リスクを軽減できます。

水分補給

口の中が乾燥すると唾液の分泌量が減り、口腔内の自浄作用が低下します。

これが歯周病の原因になって知覚過敏を悪化させることがあるので、唾液の分泌を促進するために水分補給をこまめに行いましょう。

マスクをつける

外出時にマスクをつけることで、口腔内の保湿ができ、温度を保てるので、冬の外気にさらされてでる、知覚過敏の症状を防げます。

虫歯や歯周病がなかっても歯がしみるという症状がでるのが知覚過敏です。歯茎の退縮だけじゃなく、ホワイトニングや虫歯治療によって誘発されることもあり、症状に応じて治療することがあります。

まとめ

知覚過敏はこれからの寒い冬に症状が強くなりがちです。

つらい知覚過敏を予防するには生活習慣を見直して、運動や水分補給をしたり、食生活では酸性の食べ物、飲み物を減らし、歯磨き粉の選択、歯ブラシの力加減の調整、マウスピースを作る、歯科の定期検診をうけて、歯周病の治療、予防をするなどがありますので、今回紹介した予防法をぜひお試し頂き、快適なお口の状態を維持できればと思います!

投稿者:医療法人すずき歯科(tokushima-dent.jp)

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