歯科コラム

インプラント治療における痛みにはどのように対応する?

2024.03.18

Dentist with digital model of tooth implant in clinic

 今回は、インプラント治療における痛みへの対応についてご紹介します。インプラント治療では、外科手術を行います。そのため、通常の歯科治療に比べて不安や緊張を抱く方も少なくないかもしれません。そして、手術と聞くと痛みがどの程度なのか心配になる方も多いのではないでしょうか。

 インプラント治療による痛みは麻酔や鎮静剤によってほとんどなくすことができます。実際に痛みを軽減するための方法を知っておくことで、「痛そうだから嫌だ」といったマイナスイメージを抱えている方が不安を減らし、安心してインプラント治療を受けられるでしょう。

手術中の痛みを軽減する方法とは

 インプラントの治療では、まず歯を失った場所の歯ぐきを切開し、顎の骨に穴をあけます。そして、ねじのような形をしているチタン製の人工歯根(インプラント体)を埋入します。これらの一連の処置を行う際には、前もって麻酔処置を行います。手術中のお痛みはほとんどありませんので、ご安心ください。麻酔の処置は局所麻酔のみで行われる場合と、局所麻酔と静脈内鎮静法を併用する場合があります。

局所麻酔の特徴

 局所麻酔とは、処置を行う箇所の周囲に麻酔の薬液を注射して、その部分の感覚を一時的になくす方法です。インプラント治療だけでなく、むし歯の治療や抜歯、深い歯周ポケットの歯石除去など一般的な歯科治療においても用いられる方法です。局所麻酔には、表面麻酔、浸潤麻酔、伝達麻酔の3種類があります。

表面麻酔

 浸潤麻酔や伝達麻酔では、薬液を注射針で注入します。このときの痛みを軽減するために歯ぐきの表面に麻酔薬を直接塗布し、粘膜の感覚を麻痺させます。この麻酔薬は浸潤麻酔よりも高濃度で組織浸透性が高いため、短時間で効果を発揮します。

浸潤麻酔

 歯科治療で行う麻酔として一般的によくイメージされるものです。歯ぐきに注射をして麻酔の薬液を入れ、骨まで浸透させます。表面麻酔をあらかじめ施しておくことで針を刺す痛みをなるべく軽減するようにしますが、そのほかにもできるだけ細い針を使用する、薬液を体温に近い温度にしておくなどの工夫をしています。

伝達麻酔

 神経が枝分かれする前の部分に麻酔の薬液を浸透させ、より広範囲に長時間麻酔を効かせることができるのが伝達麻酔です。浸潤麻酔よりも麻酔が効き始めるのに時間がかかりますが、麻酔の効果は4〜6時間ほど続きます(効き方には個人差があります)。麻酔が効きにくいとされている下顎の歯や、奥歯の治療を行うときによく用いられます。

静脈内鎮静法とは

 静脈内鎮静法は、治療への緊張やストレス、不安、恐怖心などを軽減し、リラックスして手術を受けていただくための処置です。手術を行う箇所に麻酔薬を入れる局所麻酔とは異なり、静脈内に点滴で鎮静剤を投与します。全身麻酔のように意識が完全になくなるわけではなく、自発呼吸が可能で、浅く眠っているような感覚になります。そのため、いつの間にか治療が終わっている、手術時間が短く感じられるなどのメリットがあります。

さらに、健忘効果(麻酔がきいている間のことを忘れられる)で手術中に起きたことや不安な気持ちが後に残らない方もいます。この方法は痛みそのものを軽減するものではないため、必ず局所麻酔と併用します。

局所麻酔における副作用

 局所麻酔により起こりうるリスクとして挙げられるのは、悪心、吐き気、動悸などです。ただし、これらは麻酔薬に対するアレルギーではなく、治療に対する緊張や麻酔時の痛みによる脳貧血が原因であると考えられています。すべての方に起こる副作用ではなく、ほとんどの場合は治療を中断してしばらく休むことで症状が改善します。また、ごく稀に麻酔薬の成分に対するアレルギーからアナフィラキシーショックが起こることがあります。もし過去の歯科治療で局所麻酔による体調不良をご経験なさった場合は、必ず前もって担当医に申し出るようにしましょう。

麻酔処置後の注意点

局所麻酔

 麻酔は、浸潤麻酔で2〜3時間、伝達麻酔で4〜6時間ほど効果が持続するといわれています。しびれている感覚がまだ残っている状態で飲食をすると、熱いものでやけどをしたり、頬や舌を誤って噛んでしまうおそれがあるため注意が必要です。可能であれば、お食事は麻酔がきれてからとるようにしましょう。その際も、常温のものや柔らかいものなど患部を刺激しないようなものを選びます。血流を促進することは患部の再出血を招く原因になる可能性があるため、辛いものなどの刺激物を食べることや、飲酒、運動、長風呂も極力控えてください。

静脈内鎮静法

 静脈内鎮静法を行う場合も、インプラントの手術は日帰りで行います。術後は院内でしばらく安静に休んでいただいてから、ご帰宅いただけます。稀にふらつきや眠気が残ることもあるため、車の運転はお控えください。帰宅後は、ご自宅で安静に過ごしましょう。その際、コーヒーやお酒に含まれるカフェインやアルコールは鎮静作用を強くしてしまうため控えましょう。また、入浴やサウナは血流を促進させるため、控えておくことをおすすめします。

手術後の痛みにはどう対処する?

麻酔がきれた後の痛みは歯科医院で処方された薬を服用し和らげましょう

 インプラントの手術では歯ぐきを切開して顎の骨に穴をあけるという大掛かりな治療を行います。そのため、麻酔がきれたあとに痛みが生じることもあるでしょう。その際は、歯科医院で処方された鎮痛薬を服用します。術後の痛みや腫れは2〜3日でピークに達し、その後徐々に落ち着いてきます。それまではできるだけ安静に過ごすことを心がけましょう。万が一、鎮痛薬が効かないほどの強い痛みが生じる、1週間ほどたっても痛みがおさまらず、むしろ強くなっているなどのことが起きた場合には、速やかに歯科医院に連絡しましょう。

まとめ

インプラント治療による手術の痛みは麻酔や鎮痛薬があるのでご安心ください

 インプラント治療における痛みへの対応は、麻酔と鎮痛薬によって、十分に軽減することができます。手術中の痛みは、局所麻酔によってほとんど感じません。ただし、局所麻酔の副作用として、悪心、吐き気、動悸などの症状が起こることがあります。手術後の痛みは、麻酔が切れた後に生じることがあります。その際は、歯科医院で処方された鎮痛薬を服用しましょう。

 手術に対する不安や痛みをできるだけ減らせるように努めておりますので、ご安心ください。もし、鎮痛薬の痛みが効かないほどの痛みが発生したり、処方された薬を飲みきっても痛みがおさまらない場合は歯科医院へご連絡ください。

 当院の院長は、日本口腔インプラント学会の専門医です。数々のインプラント症例こなしており、常に最新のインプラント技術を学んでおります。歯のことでお困りの方は何でもお気軽にご相談ください。

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投稿者:医療法人すずき歯科(tokushima-dent.jp)