2024.04.01
インプラント治療は手術を伴いますが手術前後の過ごし方についてご存知でしょうか。インプラントの治療では、多くのケースで2度の手術が必要になります。手術の前日や当日、術後の数日間はどのようなことに気をつけて過ごすとよいか紹介していきます。
目次
インプラントの治療では、多くのケースで2度の手術を要します。1次手術では、顎の骨に穴を開け、チタン合金でできている人工歯根(インプラント体)を埋め込みます。チタンは骨と結合する特性をもちますが、すぐその場で結合できるわけではありません。完全に結合するまでには、下顎の歯で平均3〜4ヶ月、上顎の歯で平均6ヶ月かかります。その後、人工歯根と顎の骨が完全に結合したことを確認できたら、2次手術を行います。2次手術では再び歯ぐきを切開し、連結部品(アバットメント)をとりつける処置を行います。最後に人工歯(上部構造)を被せ、インプラントの治療が完了します。
インプラントの手術をする際には、一般診療よりも更に厳密な衛生管理が必要となります。手術に使用する器具を徹底的に洗浄、消毒、滅菌することはもちろんのこと、一般診療とは場所を区切って清潔な空間を確保することが大切です。当院では、インプラントの手術はオペ室で行います。一般診療とは空間を分けることで、より清潔な状態で手術を進めていきますのでご安心ください。
初めてインプラントの手術を受ける方は、不安や緊張を感じる方も少なくないでしょう。以下のことに気をつけて、リラックスして過ごしましょう。
発熱などの体調不良があると、インプラントの手術が行えず延期になる場合もあります。手術がある日まではできるだけハードスケジュールは避け、体調管理に努めましょう。
食事はいつも通りで問題ありませんが、過度な飲酒は控えるようにしましょう。
体調管理のためにも十分な睡眠は大切です。睡眠不足のまま手術を受けると、術中の麻酔の影響などで気分が悪くなる可能性もあります。激しい運動は避けつつも、睡眠時間は確保しましょう。
喫煙をしていると、免疫力が低下したり顎の骨と人工歯根が結合しにくくなるなどのリスクがあります。加熱式たばこも同様です。手術前後の一定期間は禁煙をするように指導された場合は、しっかり守るようにしましょう。
インプラントの手術の際に静脈内鎮静法を併用する場合には、食事は手術の4時間前までに済ませておきましょう。何も食べずにいると血糖値が下がってめまいや動悸、意識レベルの低下の原因となるため、何かしらの食事は摂っておくことがおすすめです。局所麻酔のみで手術を行う場合でも、手術の2〜3時間前までには食事を終えるようにしましょう。
また、コーヒーや紅茶などカフェインを含む飲み物にも注意が必要です。カフェインには利尿作用がありますが、インプラントの手術中はお手洗いに行くことは基本的にできません。水分の摂りすぎには気をつけましょう。
食後にはいつも通りに歯磨きをして大丈夫ですが患部周囲の歯ぐきを傷つけないように気をつけながら、丁寧に磨きましょう。
リラックスして手術を受けるためにも、身体をしめつけない服装がおすすめです。静脈内鎮静法を併用する場合には腕に点滴をつけるため、袖をまくりやすい服か半袖の服を選びましょう。指輪やネックレス、ピアス(イヤリング)などのアクセサリーや時計はつけずにご来院ください。
術前にはお口周りをアルコールで消毒したりお顔に滅菌された布をかけることもあります。お化粧は控えめにしていただくとよいでしょう。
静脈内鎮静法を併用する場合は特に、術後に車やバイクを運転するのはおやめください。ご家族に送迎を依頼するか、電車やバスなどの公共交通機関やタクシーをご利用ください。
手術直後は麻酔がまだ効いている状態ですが、局所麻酔は2〜3時間で効果が切れてきます。麻酔が切れるまでは頬や唇を噛んでしまわないように気をつけましょう。
食事を摂るのは必ず麻酔が切れてからにしましょう。麻酔が切れた後も、熱いものや辛いものなどは患部に刺激が強いため避けておくべきです。常温で柔らかい食べ物がよいでしょう。少し冷ましたうどんやおかゆなどがおすすめです。
インプラントの手術時にはしっかり止血をしていても、その後血流がよくなると再出血してしまうおそれがあります。熱い湯船に長時間浸かることは血流をよくするため、避けましょう。手術当日はシャワーで済ませる程度にしておくことがおすすめです。
同様の理由で、手術当日の運動も控えるようにしてください。
同様の理由で、手術当日の飲酒も避けましょう。手術当日はもちろんですが、術後1週間程度までは飲酒は控えることがおすすめです。会食の予定などは入れないようにしておきましょう。
インプラントの手術後には、患部の感染を防ぐための抗生物質と痛み止めの薬を処方します。痛み止めは痛みがあるときだけの服薬でも問題ありませんが、抗生物質は処方された日数分必ず飲み切るようにしてください。
手術直後の患部は非常にデリケートな状態です。患部を素手で触ることは絶対に避けてください。手術当日は歯磨きやうがいも控えておきましょう。
インプラント手術後の痛みや腫れは、一般的には3日程度がピークといわれています。この間も、飲酒や激しい運動、長風呂は避け、できるだけ安静に過ごすようにしましょう。また、患部はまだデリケートな状態であるため、ナッツや煎餅などの硬いもの、刺激物は控えてください。
術後翌日からは、患部を清潔に保つために歯磨きをしていただいて問題ありません。患部を傷つけないように気をつけながら、毛がやわらかい歯ブラシを使うとよいでしょう。力を入れすぎると患部を傷つけるだけでなく歯ブラシの毛先が広がってしまい、毛先が磨きたいところに当たらなくなるため、適度な力で優しく磨くことが大切です。また、歯ブラシで磨くことに加えワンタフトブラシや歯間ブラシなどを併用すると、歯ブラシだけでは取り切れない汚れもしっかり落とすことができます。
この先インプラント周囲炎を予防するためにも、これらのツールを使った歯磨き方法を身につけておきましょう。術後の歯磨きで何か分からないことや不安なことがあれば、いつでも遠慮なくご相談ください。
今回は、インプラント手術前後の過ごし方についてご紹介しました。インプラントの手術前後は、体調に気をつけながら安静に過ごすことが第一です。万全の状態で手術を受けられるようにしましょう。
当院の院長は、日本口腔インプラント学会の専門医です。徳島大学病院時代より数多くのインプラント症例を担当しており、他院では難しいとされる症例でも対応が可能なほどの高い技術力をもっています。他院で治療を断られてしまった方も、お気軽にご相談ください。
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