2024.07.05
歯医者で治療が終わっても「定期検診にお越しくださいね」と、言われますよね。
「ようやく治って、痛みがないのにどうして行かなくてはならないのか」と疑問に思う方も多いかと思います。
歯の定期検診の役割は主に3つです。患者様のご自宅のケアだけではしきれないフォローを行っていきます。
今回は、なぜ歯の定期検診が必要なのか、その重要性についてお話します。
目次
みなさんはどんな時に歯医者に行きますか?
歯が痛い、歯ぐきから血がでるなど、なにか症状が出て困ると歯医者へ行く方が多いと思います。 しかしお口の中の病気は自覚症状がないまま進行することが非常に多いのです。
症状が出たときには歯を大きく削る必要があったり、なかなか治りにくい状態まで歯周病が進んでいたり、最悪抜歯が必要になってしまうことも考えられます。
歯周病は痛みなく進行する病気です。知らず知らずのうちに歯周病が進行していることも少なくありません。
歯だけではなく歯ぐきの健康も非常に大事なのです。 歯医者で歯の定期検診を受けることで、歯や歯ぐきの状態をチェックし早期発見、早期治療、予防で歯を長く大切に使うことができます。
自分のお口の中がどうなっているかを自分で把握するのはとても大事なことだと思いませんか。全身の健康は歯の健康からといわれています。肥満や生活習慣病の予防のためには、いろんな食べ物をバランスよく食べることが重要ですよね。そして、なんでもよく噛んで食べる。そのためには、健康な歯が欠かせないのです。自分の歯で何でも噛めるということは、食生活を豊かにすると同時に、健康の維持・増進、病気の予防にもつながるのです。当たり前にあった歯を失うと想像以上に食事がしづらくなります。日本では、「80歳になっても自分の歯を20本以上保つこと」だけではなく、「60歳で自分の歯を24本以上保つこと」「40歳で自分の歯をすべて保つこと」も最近は提唱されています。
歳をとって歯が抜けるのは老化現象の1つだと思われがちですが、そうではなく、歯周病を正しく予防・治療すれば、いくつになっても自分の歯を保つことは可能なのです。
歯周治療で糖尿病の検査値(ヘモグロビンA1c)も改善されると言われております。改善度は平均0.4%くらいと言われています。これは、糖尿病のお薬1剤分に匹敵するという人もいます。したがって、重度の歯周病を併発した糖尿病患者さんは、糖尿病そのものの管理の一環として歯周病を治療するとともに再発予防に努めることが大事です。最近では、糖尿病手帳に歯科受診の記録も記載できるようになっています。このようにお口の健康は体にとても影響があります。しかし、自分で歯周病や初期虫歯などに気付くのはとても難しいため、歯医者の定期検診はとても重要なのです。
定期的に歯医者でお口の中を診てもらうことによって、歯や歯ぐきの状態の変化にいち早く気付き虫歯や歯周病を予防することができます。
なかなか自身では、初期の虫歯や磨き残しには気がつけないものです。初期の虫歯を見つけたら削らずに済むことや、歯ぐきの炎症があったとしても、すぐに治まる場合がありますので歯医者で検査を受けることはとても大事です。当院では年に一回程度虫歯の早期発見のためにレントゲンを撮影させていただいております。レントゲンで何がわかるのか?歯科医院で行うレントゲンでわかることは、虫歯の有無はもちろん、虫歯の進行度合い、歯の根っこの形状や本数、神経が残っているかどうか、肉眼では見えない歯茎に覆われた位置にある歯石まで分かります。また、顎の骨の状況や、様々な口腔内の情報を確認することができます。虫歯治療、歯周治療においてレントゲンはとても重要な患者様の情報となります。
痛みもないのになぜ?忙しくて定期的に歯医者に行くのは負担と思われる方もたくさんいらっしゃると思います。毎回の検診やクリーニングにかかる費用も気になるところではないでしょうか。しかし、定期検診を受けずに痛くなってから受診した場合、症状がかなり進行していることが考えられます。その場合は、治療に費用もかかるため、定期検診を受けていた方が結果的に来院回数も費用も抑えられることがほとんどです。治療による通院回数や治療時間も定期検診のほうがトータル少なく済むことがほとんどです。何より、歯の痛みは患者様にとって、とても負担に感じることでしょう。定期検診で痛みが出る前に治療が必要な部分を発見し、早期治療できることで患者様の様々な負担が軽減されます。歯の健康を守ることは体も心も守ることに繋がるのです。
歯周病の直接の原因は「歯垢(プラーク)」です。口臭の原因にもなります。
プラークとは、歯の表面や歯と歯の隙間に付着した細菌の塊です。歯周病予防には、日ごろからプラークを付きにくくするとともに、歯に付着したプラークを歯ブラシやデンタルフロス、歯間ブラシなどを使ってこすり落とす必要があります。このようにプラークを減らしていくことを「プラークコントロール」といい、歯周病予防に最も効果的なセルフケアです。歯周病予防は定期検診も重要ですが、それと同じくらいセルフケアも重要になってきます。いくら歯科でクリーニングをしても、その後全く歯磨きをしないともちろんお口の状態は悪化します。定期検診ではお口の中のチェックと共に、セルフケアのお手伝いとして、それぞれに合った歯ブラシ、デンタルフロス、必要に応じて歯間ブラシを提案させていただいております。患者様一人一人歯の数、歯並びが違います。そうなると歯ブラシも合うものと合わないものがございます。患者様のお口の状態に合わせて相応わしい歯ブラシを紹介させていただき、磨き方をお伝えします。自分に合った歯ブラシを使うことは、歯の健康に対してモチベーションアップにも繋がります。歯ブラシやフロスだけでなく、歯周病予防の歯磨剤や知覚過敏に悩んでる方向けの歯磨剤なども多く取り扱っておりますので定期検診の際にお口の中のお悩みなどをお聞かせください。いろんな方向から患者様に合ったものを提案させていただきます。もちろん強制ではございませんので安心してくださいね。毎日歯磨きをしていても、ご自身で落としきれない汚れというものはあります。歯石除去や歯のクリーニングを行うと毎日の歯磨きでは落としきれない汚れがなくなり、とてもスッキリします。きれいになった歯、健康になった歯茎を見て実感していただき、みなさんにぜひ歯を健康に保つ楽しさを感じていただき、モチベーションを保っていただきたいです。そのお手伝いを私たちにさせてください。
定期検診の目安ですが、歯石は時間を置くほど硬く取りづらくなります。クリーニングがしやすく、患者様の負担をなるべく軽く、これ以上悪化しないように細菌の働きにストップをかけるタイミングとしてベストなのが、3カ月程度といわれてます。もちろん希望があれば1ヶ月2ヶ月でもクリーニングさせていただくことは可能です。まずはご相談ください。
当院では定期検診を忘れないためにご希望の方には3ヶ月ごとにハガキを送らせていただいております。電話よりもお手軽にネットで予約できる制度も導入しております。もちろん、3ヶ月先のお約束も受け付けております。ご自身のライフスタイルに合わせて定期検診をぜひ受けてくださいね。
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