歯科コラム

インプラント治療の治療費について,

2024.04.29

Big teeth on a stack of golden coins. Concept expensive dentistry or dental insurance, 3d illustration

 今回は、インプラントの治療費についてご紹介します。インプラントは、歯を失った箇所の顎の骨に人工歯根を埋め込み、その上から連結部品と人工歯を被せる治療方法です。見た目の良さやしっかり噛める機能性、耐久性など様々なメリットがあり、魅力的に感じる方も多いのではないでしょうか。その一方、インプラントの治療を検討していく中でその治療費が気になることも多いかと思います。インプラントの治療費は、なぜ一般的な歯科治療に比べて高額なのでしょうか?

インプラントは保険適用できる?

 結論から申しますと、インプラントの治療は健康保険の適用ができません。そのため、他の一般的な歯科治療に比べて治療費が高くなるのです。では、保険診療と保険適用ができない自由診療では何が異なるのでしょうか?具体的にご説明します。

保険診療とは

 日本においては、「国民皆保険制度」が導入されており、国民全体で公的医療保険を維持し、医療を必要とする人ができるだけ少ない負担で受けられるような仕組みができています。そして、健康保険法や国民健康保険法などに基づいて行われる診療を「保険診療」といいます。公的医療保険に加入していれば、全ての人がどの医療機関でも同じ内容の診療を、同じ金額で受けられます。一般的には、保険証を提示すればかかった医療費の最大3割を負担することで治療を受けられます。残りの7割は、税金や保険料で賄われているということです。

保険診療のメリット

 歯科においても、保険診療のルールが定められています。例えば、むし歯になったときの治療では、むし歯になった部分を削り、その部分にプラスチックもしくは金属の詰め物や被せ物をします。この治療方法は一律に決められているものであり、全国どこの歯科医院やクリニックで受けても同じ内容のものになります。

もちろん、治療にかかる費用も同じ金額になります。このように、一定のレベルの治療を一律に受けられることが保険診療の最大のメリットです。

保険診療のデメリット

 保険診療はあくまでも痛みをとり、最低限噛めるようにするための治療に限られるため、見た目を改善するための治療は行うことができません。具体的には、歯列矯正治療(一部の例外を除く)、ホワイトニング、セラミックなどを使用する審美歯科治療、インプラントなどです。そして、保険診療では治療方法や治療に使用できる材料にも多くの制限があるため、「むし歯を治療した後も見た目が気にならないように白い詰め物をしたい」といった希望は叶えられないこともあります。

また、保険診療に使われる素材はものによっては経年劣化しやすい、強度が高くない、などの特徴をもつこともあり、必ずしも精度の高い治療を受けられるとは限りません。

自由診療とは

 一方、公的医療保険の対象とならない診療のことを「自由診療」といいます。自由診療では保険が適用されないため、治療にかかった医療費は全額負担することになります。そのため自ずと治療費は高額になる傾向にあります。

治療方法や治療に使われる材料にも制限がなく、自由度の高い治療が可能となりますが、メリットとデメリットがあることも知っておきましょう。

自由診療のメリット

 自由診療の最大のメリットは、治療方法の選択肢が広がることです。海外では認められていても日本ではまだ認可が下りていないような材料、薬剤を使った最先端の治療も、自由診療であれば行うことができます。そのため、ご自身の希望や体質、症状に合った最適な治療方法を選べます。特に歯科の自由診療においては、審美性と機能性、耐久性を全て叶えるような治療方法も選択できるようになるため、非常に満足度の高い治療ができるでしょう。

また、治療そのものの精度も保険診療に比べて高いといえます。例えば、歯の型どり一つとっても保険診療と自由診療では型どりのために使用できる材料も異なります。保険診療で使われる寒天は水分が多いため時間経過とともに形が変わってしまい、それが補綴物(詰め物や被せ物)の精度にも影響することがありますが、自由診療では主にシリコンを用いて型どりを行います。シリコンは変形しにくいため精度の高い型どりが可能となり、できあがった補綴物も精度の高いものとなるのです。

自由診療のデメリット

 治療の内容という点においては、自由診療にデメリットはありません。デメリットがあるとすれば、治療費が高額になりやすいこと、医療機関によって金額にばらつきがあるということです。自由診療では治療にかかる金額が定められていないため、基本的にはそれぞれの歯科医院で金額を設定することになります。そのため、全く同じ内容のインプラントの治療であってもA院とB院で治療費が異なるということが発生します。

ここで注意が必要なのは、いくら自由診療であっても安すぎる、もしくは高すぎる場合は慎重に検討した方がよいということです。ただでさえ高額になりがちな自由診療だからといって、明らかに他院よりも金額の安い歯科医院で治療を受けようとするのはおすすめできません。金額に上限や下限がないとはいえある程度の相場は存在するため、地域における相場や治療内容と照らし合わせて検討していく必要があるでしょう。当院におけるインプラントの治療費は、ホームページの料金表をご参照ください。

少しでも治療費の負担を軽減するためには

 このようにインプラントの治療は自由診療の範囲となるため高額になる傾向がありますが、医療費控除の制度を利用することで医療費の負担を軽減できます。医療費控除とは、納税者が1年間(その年の1月1日から12月31日まで)に自身または生計をともにする家族のために支払った医療費が一定の金額を超えた場合に、その額と総所得をもとに算出された金額の所得控除(税金の軽減)が受けられる制度です。ここでいう「一定の金額」とは、支払った医療費の合計が10万円以上になるか、もしくは総所得金額の5%を超える額のことです。インプラントの治療は1本あたり30万円以上かかることがほとんどなので、医療費控除の対象とすることができます。この制度を利用するには確定申告の手続きが必要なので、領収書などは必ず保管しておくようにしましょう。

 また、医療費控除の対象となる医療費には、通院のために使った公共交通機関の交通費なども含めることができます。さらに、過去5年間であれば税務署に申請することで医療費控除を受けられるため、既に治療が完了している方も制度の利用に間に合うこともあります。医療費控除の詳細については、最寄りの税務署などにお問い合わせください。

まとめ

 今回は、インプラントの治療費についてご紹介しました。自由診療で行われるインプラント治療は、治療費が高額になる傾向はあるものの、そのぶん審美性、機能性、耐久性の全てを兼ね備えた満足度の高い治療を受けられます。治療費の負担を軽減するためには、医療費控除の制度を利用しましょう。

 当院の院長は、日本口腔インプラント学会の専門医です。徳島大学病院時代より数多くのインプラント症例を担当しており、他院では難しいとされる症例でも対応が可能なほどの高い技術力をもっています。他院で治療を断られてしまった方も、お気軽にご相談ください。

 ご予約は、お電話もしくはWEBからお待ちしております。

投稿者:医療法人すずき歯科(tokushima-dent.jp)

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