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歯ぎしりによるインプラントへのダメージ

2024.02.05

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 みなさんは歯ぎしりによってどんな影響があるかご存じでしょうか。歯ぎしりが起こるタイミングの多くは睡眠中といわれております。歯ぎしりは歯が磨り減るなどお口のトラブルに繋がります。活動時にポーツ中の力を入れる場面等で食いしばりも歯がすり減ってしまったり、顎関節症の原因、歯が割れてしまう事態になり得ます。また、歯ぎしりや食いしばりはインプラントにも悪影響が与えられます。

 今回は歯ぎしりが自然の歯やインプラントに与える影響や原因、対策を解説していきます。歯ぎしりに悩んでいる方はぜひご覧ください。

インプラントと歯ぎしりについて

インプラントは自然の歯に近い見た目と噛み心地を取り戻せる
ここではインプラントのメリットと歯ぎしりの原因について簡単に説明します。

インプラントについて

 インプラントは、歯を欠損した箇所に自然の歯に近い見た目と噛み心地を取り戻すための効果的な治療法です。インプラント治療とは手術を伴う治療法です。人工歯根を顎の骨に埋め込み、その上に人工歯を取り付けます。これにより、自然な見た目と噛む力を得ることができます。

 インプラントはチタンやチタン合金で作られるため、生体親和性が高く、金属アレルギーも起こりにくいです。インプラントの寿命を長くするためには日々のケアが大切です。定期的に歯科医院に通って、歯科医師にインプラントの状態を診てもらうことで、自覚症状のない異変にも対応できます。そうすることでインプラントは10年、20年と長期間にわたって維持することが出来ます。

歯ぎしりについて

 歯ぎしりは、睡眠中など無意識に行われる歯と歯のすり合わせのことです。歯ぎしりの原因は精神的ストレスや歯の不正咬合、浅い睡眠など様々です。歯ぎしりの癖は治しておかないとあごの関節の異変や歯のすり減りや割れてしまう事態へと繋がるので自覚がある方は歯科医院へ相談しましょう。

歯ぎしりによる歯への影響

歯ぎしりは歯周病の悪化やインプラントにダメージがある

 歯ぎしりによって歯がすり減ってしまうことはご理解いただけるかと思いますが、すり減ることでどんな悪影響がでるのか、他にもどういったことが起こると考えられるのか説明していきます。

歯がすり減ることでの悪影響について

 歯ぎしりによる歯の負担は自分の体重よりも大きく2〜5倍といわれております。歯ぎしりが長期間、解消されないでいると歯はすり減っていき、噛み合わせが合わなくなることで咀嚼が上手に出来なくなります。

 噛み合わせが悪くなることであごの関節に対して負荷のバランスが崩れてしまい顎関節症を引き起こす可能性が出てきます。顎関節症になると食事の際に口を開けたり、食べ物を咀嚼する際にあごに痛みが出てきます。他にもあごの関節から音がしたり、肩こりや腰痛などお口以外に対しても影響が出てくることがあります。

歯周病の悪化

 歯ぎしりによって歯周病が悪化すると考えられます。歯周病は歯垢などにいる細菌によって歯肉に炎症を起こします。放置しておくと歯を支える骨を溶かしてしまい、歯を失う原因となってしまいます。

 歯周病の症状が進行してしまうと歯のぐらつきがみられます。その状態で歯ぎしりが行われてしまうと歯の周囲の組織が破壊されてしまい、歯周病を悪化させる原因となってしまいます。

インプラントへの影響

 歯ぎしりがインプラントにどのような影響を与えるか説明します。歯ぎしりによってインプラント周囲炎が悪化することが考えられます。インプラント周囲炎も歯周病と同様に細菌によって炎症を起こし、インプラントが脱落してしまうことがあります。

 他にもインプラントのネジが緩んでしまったり、人工歯の部分が欠けたり、外れてしまうなど様々なトラブルが発生が考えられます。

歯ぎしりの治療法

生活習慣を見直したり、歯科医師に適切な治療を提案してもらいましょう

 睡眠中に発生する歯ぎしりは自覚症状がない方もいらっしゃいます。歯ぎしりの癖の有無については、定期検診等で歯科医師にお口の状態をチェックしてもらう際に聞いてみましょう。歯ぎしりの癖が見られる場合は状況の説明と適切な治療方法を提案してくれるので気になる方は相談してみましょう。

ナイトガードの使用

 ナイトガードとは睡眠時の歯ぎしりによる歯がすり減ることを予防するためのマウスピースになります。ナイトガードによって歯ぎしりによる歯への負担を軽減することが可能になります。このことから歯周病やインプラント周囲炎が悪化するリスクを減らすことも出来ます。ですがお口の中で装着するので衛生面には気を付けましょう。ナイトガードは毎回消毒しないと細菌が繁殖してしまいます。水で洗い流すだけではなく、指定されている通りの洗浄方法を行いましょう。

矯正治療

 歯並びによる歯ぎしりが原因の場合、矯正治療を受けることで改善できる可能性があります。矯正治療とは、矯正装置を使って歯を長期間にわたってゆっくりと動かし、正しい噛み合わせにする治療方法です。矯正治療によって歯並びがよくなることで歯の見た目もきれいになります。また、歯ぎしりや見た目の改善だけではなく、咀嚼がしやすくなったり、発音の改善にもつながることが考えられます。

生活習慣の見直し

 歯ぎしりの原因は日常生活にも潜んでいます。たとえばスポーツや力仕事を行う際に力を入れる時に歯を食いしばる癖があるかたは睡眠時にも歯ぎしりを起こしているかもしれません。また、日頃からストレスを溜めていたり、喫煙や飲酒の習慣があると睡眠が浅くなって、歯ぎしりが起こりやすいです。

 歯の噛み合わせが悪いと歯ぎしりの原因にもなり得ます。歯の噛み合わせが悪くなる習慣としては頬杖をつく癖や食事の際に咀嚼はいつも右(左)の歯だけといった片側のみに負担がかかるような行動が挙げられます。

 生活習慣は積み重なって身体の健康へ表れてきます。

まとめ

 今回の記事では「歯ぎしり」について解説しました。歯ぎしりの主な原因や症状、対策についてご理解いただけたでしょうか。

 歯ぎしりによる影響は自然の歯だけではなく、インプラントにも及ぼします。歯ぎしりによって自然の歯はすり減ったり、詰め物が取れたりすることがあります。歯周病の場合は、悪化することが考えられます。インプラントの場合においても、インプラント周囲炎の悪化や、ネジの緩んでしまうことも考えられます。

 歯ぎしりを治すためには、まずは生活習慣の見直しをおすすめします。常にストレスを溜めていたり、飲酒や喫煙の習慣があると睡眠が浅くなってしまい、歯ぎしりが起こりやすくなります。しかしながら歯ぎしりは自分自身で気が付かないケースがあります。気になる方は歯科医師にお口の状態を診てもらう時に聞いてみましょう。歯がすり減っていたりするとナイトガードを使用して歯に負担がかからないようにしたり、歯並びや噛み合わせを正常な状態へ改善させる矯正治療などを提案し、患者様に寄り添った治療を考えてくれます。

 歯ぎしりや歯並びなどお口について悩みを抱えていらっしゃる方はすずき歯科へお気軽にご相談ください。

投稿者:医療法人すずき歯科(tokushima-dent.jp)

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